宮崎アニメがマニア向けだったころ

の話を「WEBアニメスタイル」で小黒氏が語っておられる。なつかしー。
http://www.style.fm/as/05_column/animesama68.shtml


アニメージュは創刊号から買っていたのだが、何で毎号買うに至ったかというと
最初はヤマトだったのだ。
創刊号の表紙はマットブラックにツヤインクで宇宙戦艦ヤマトがばーんと載ってて
キャラのキャの字もないシブいデザインであった。(2号からあっさり崩れるけど)


で、時代は下って、確かにアニメージュは異常に宮崎関連に肩入れしてたな。
東映動画の歴史とか詳しく載せて「ホルス」「長猫」や「パンダコパンダ」は
幻の名作扱いだったし、「コナン」もコンテ集が別冊付録だったりした。
世間一般的には、公開当時は「カリ城」ってあまり注目されてなかったけど
封切り初日にOS東劇に、「ミスターBOO」との2本立てをわざわざ観に行ったのは
事前のアニメージュ情報で、面白いアニメが見れる、という確信があったんだろう。
同時上映の「ミスターBOO」の何作目かを、仕方なく見た後、(つまんなかった)
やっと「カリ城」が始まり、ルパンが屋根から走って飛び移るシーンで
「うぉー!待ってました!!」という観客全員の一体感はわすれられまへん。
今にして思えば、アニヲタ濃度の高い空間だったのだな。
カリ城」は大画面で観るとすごい迫力です。未体験の方は機会があればぜひ。


「コナン」のラナちゃんとかも、多少二次創作の対象になってたけど
クラリスほどそういう事になった宮崎キャラはいないんじゃないかなあ。
しかも、本編の成長しているクラリスではなくて、昔ルパンと遭遇したときに
カールと一緒にいた幼児期クラリスがすごい事になってましたな。
当時、わざわざ行った早稲田の同人誌の店で「クラリス新聞」とか
買っちゃったりしたのは、若気の至りであったなあ。


クラリスの声の島本さんが、やっぱりナウシカをやって、でも「ナウシカ」は
すでに「カリ城」ほどつっこみ所のある作品ではなくなり、
ジブリ作品になってからはどんどんマニア魂をあえてくすぐらない作品、というか
メジャーな方向にきっちりシフトした。
よっぽどヲタの二次創作が嫌だったんだろうか。
でもなー、伯爵をロリコン呼ばわりしておきながら、ルパンの方がよっぽど、っつか
「は〜い、オジさんはここですよ!」とか言ってりゃ、つっこみたくもなりますぜ。
ルパン、人格が違います。旧ルパンの最初から比べると、全くの別人だよ。


でも、あまりにつっこめないキャラってのも、物足りないのではないかなあ。
千と千尋」では、キャラクターグッズが売れなかっただろうなあ。
お話はすごく面白くても、それとこれとは別なんだよな。
多少の「萌え」をハウルに求めたかもしんないけど、グッズが売れる訳でもなく。


昔ちらっとモロッコかどっかでやった宮崎・庵野対談を見たときに、
どういうつながりが??と思ったけど、
巨神兵の、ドロドロに溶けながらばしゅと光線を出す部分の作画が庵野仕事だそーで。
結局「ゲド戦記」はさっぱりした感じのようですが、(見てないけど不評っぽいすね。)
この先宮崎アニメはどっちに行くんだろう。
別にマニアに迎合する事はないと思うけど、ちょっとドロドロした方向に
行ってもらえると、楽しみだったりするのだ。無責任にも。