『ストーカー』再読。

図書館で発見して、なつかしかったので借りて読んだ。
捨ててはないはずだから探せば家のどっかにあると思うんだけど
(管理能力がない。)20年ぶりの再読。


その当時は、特定の人物をつけまわす犯罪を「ストーカー」とは全く
言われておらず、「ストーカー」といえば、即タルコフスキーSF映画
またはハヤカワから出てるソ連作家のSF小説と相場が決まっていたものである。
(ほんとか?)


当時観に行ったタルコフスキーの映画『惑星ソラリス』は映画館で寝てしまい、
何回起きても見たのは海の映像だけ、という情けない状態であった。
ノスタルジア』は、女優さんもキレイだし、(圧倒的な髪の毛の量!)
映像もキレイ、温泉の情景とか、ほほー、こんな場所があるんだ〜、と
大変興味深く、ラストシーンも印象に残って、とても面白かったのだが。
『ストーカー』は、イマイチ入り込めない映画であった。
小説読んだのと、どっちが先だっただろうか?多分小説を読まないと理解できない
映画だと思う。あ、でもラストは感動的。


小説『ストーカー』の作者は、AとBのストルガツキー兄弟で、冗談かと思ったら
アルカージーさんとボリスさんでした。
ハヤカワ文庫の解説を読むと映画の脚本は、厳密にはストルガツキー兄弟では
ないようで、(提出したが、大幅に変えられた)それはなんとなくわかる。
そして、小説の『ストーカー』はめっちゃかっこいい!のだ。


お話は、チェルノブイリを彷彿とさせる、宇宙人来訪跡地。不用意に進入すると
理解不能な状況で死に至る。ので、「ゾーン」と名付けて管理されているが
理解不能な物体を持ち帰ると高値で売れるので、不法侵入者が後を絶たない。
その不法侵入者の名称を「ストーカー」というのである。
もー、主人公の「ストーカー」のプロ根性、孤独感がかっちょいいのだ。
「ゾーン」の訳わからんさ、ちょっとでも気を抜くと死んでしまうが
その気の使い方は直感でしかないというギリギリさ。すてきー。


今回読み直して、結構ラストのあたりは記憶が飛んでましたわ。
あと、原題も、気づいてなかったけど、結構ネタバレ的なタイトルだったのか。
そして、この前夢で見た「緑のゲル状」=「魔女のジェリー」登場でびっくり。
そのブツが『ストーカー』に登場するなんて、全く記憶になかったんだけどな。
そして、ラストのあざやかさは映画の方が感動的かも。でももう一押しすると
幼年期の終わり』的な空気も漂っている。
ちょっとこの世界観でどっかでアニメ作ってくんないかなー。
タルコフスキーの映画も見直してみたくなったざんす。