『玉蘭』読んだ。

鬼太郎の声はずっと悟空かと思ってたら、コナンになってたとは知らなんだ。


で、『玉蘭』by桐野夏生ですが。たまたまGEOにCD返しに行った時にふらふらと
古本コーナーに吸い寄せられて買ってしまった。例によって事前情報ナシ。
桐野作品は『OUT』と『柔らかい頬』と『魂萌え』しか読んでないので、イマイチ
つかみ切れてないのだ。ミロ物で売り出し中の頃にSPA!のインタビューで見た印象が
強くて、なーんか、気の強そうなおねーさんだな、という感じで。
SPA!のインタビューって、青木雄二もイロモノ扱いだったから、アテにしちゃいかん)


で、『玉蘭』。面白かった。展開が予測不能。『OUT』みたいなショッキングな話では
ない。リアリティがなまなま。桐野氏自身の血縁の方の実話がベースになってて、
戦前〜戦中の時代と現代がクロスするのだが、超常現象も違和感なく溶け込んでる。
しかしなあ、偶然『ヴェネツィアの宿』 by須賀敦子を直前に読んでいたので、留学女子の
悲惨さというか、辛さというか、壊れ方というか、恐ろしいものを見た、という感じで。
娘を海外留学させる親は読んだ方が良いのか、読まない方が身のためなのか。
まー、留学しようが、しまいが、生き抜くということはまことに大変な事であるよ。
現実逃避型の小説では全然なくて、人生をいやおうなく考えさせられる小説であるなあ。
単行本時に加筆された最終章は、ちょっと『ノルウェイの森』の最後を思い出した。


ところで、強行採決云々言われてますが、だって選挙で議席獲得してんだから、やりたい
放題は自明の事ぢゃん。乱闘だけだったけど、牛歩とか他のバリエーションも色々やって
野党は最初っから策がないことをわかりやすく示して、「だから今度は選挙に行こう」と、
持って行けばいいのにね。それってテレビでわかりやすく説明しないんだよなー。
「策がないんですかねー」とか言ってCMだし。選挙権とゆー権利持ってんだよ!みんな。
公明党と組んで、かろうじて議席確保してる状態なんで、これがイヤなら他の党に投票
した方が良いと思う。間違っても自民党と手を組みそうでない政党に入れるのがポイント。
昔々は、まさか公明党と合体して数あわせがデフォルトになるなんて思わなかったけどな。
しかし自民党、今回は結構自分で自分の首をわかりやすく絞めてるな。めずらしく。
でも議席減らしても、自分たちの都合の良いように法改正とかすんのかなー。