『ドン・キホーテ』について。

例の「激安の殿堂」ぢゃなくて、古典小説の方っすね。
なんと、聖書に次ぐ2番目のベストセラーなんだそーで。知らなかった。
なんとなくアニメの印象とか、単に風車に向かっていく悲しい人、という
印象しかなかったんですが、手始めに『丸かじりドン・キホーテ』という
中丸明氏の著作を読む。原本はいきなり厳しいので・・・。
(この本のおかげで、白紙だったヨーロッパ史がちょっと身近になったなり。)


わかった事は、前・後篇の2つの物語で成り立っていて、前篇で、まず1回目に
旅立つ。後篇では、すでに前篇の冒険(?)が本になって世の中に知れ渡っており、
行く先々ですでに有名人になっているという前提での話の作りになっている。
そんで、そのドン・キホーテという人は、もともと広い領土を持った郷士だったのに
騎士道物語(チャンバラ小説)を買うために領土を売り払い、(=本は当時は貴重品)
読み込みすぎて現実との境目がわからなくなって、自分を騎士と思いこんで旅に出た、
要するに「書を捨てて街に出」た話であったのだー。
文学者がハマるのはここか。本に浸るあまりの狂気と情け容赦ない現実。


んで、街に出て何をしたかというと、風車の話はさることながら、羊の群れに入って
罪もない羊を串刺しにして、羊飼いからボコボコにされたり、囚人を逃がしてやるも
当の囚人からボコボコにされたり、どう見ても田舎の娘を、貴婦人が魔法にかけられた
と思いこんだり。魔法って現実逃避にはとっても便利。
前篇は最初、あまりのアホさ加減に読むのが辛くなったのだが、それをふまえた後篇が
面白かった。サンチョが良い味なのだ。そして衝撃のラスト。(って程でもないか。)


原本は、本当にあった騎士道物語のここはこうだ、とかの文学論や、当時の状況の風刺
やら、てんこ盛りで、スペインの歴史的背景や世界情勢などわかってないと理解できない
世界のようであるが。ウィキペディアによると、ドストエフスキーがかなーりリスペクト
してたそーです。って、ドストエフスキーもちゃんと読んでないし。面白いと思えるには
かなりの知識の裏打ちがないと厳しいのか。ボルヘスさんのよーに。
という訳で関係ないけど、『カラマーゾフの兄弟』も読まねばな。