『ねじまき鳥クロニクル』読んだ。

急に読みたくなったので、アマゾンで注文して(て、どんだけ買いまくり?)
栗むきの後から読み始めた。図書館に行くのがめんどくさかったんですもの。
つか、いーかげん、村上さんに印税をお支払いしなければ、とも思い。っつ
ても文庫ぢゃ大した金額ではないのだろーが。
チェックバック待ちで読み始めたら、結局チェックバックスルーで提出。で、
新規依頼も来たけど、めずらしくなるはやではなかったのでそのまま2部まで
一気読みした。で、3部はちょっとコマギレで読んだので、散漫な印象になって
しまったのだが、訳分からんけど面白いって、こーゆー事なのね。
とりあえず面白い。例によって、あと数ページでこの世界が終わってしまう、
という寂寥感を味わえた。が、読後感のスッキリさは『ハードボイルドワンダー
ランド』の方が上だったな。
ざっくり読み終わって、まだ他の人の感想など、ノーチェック段階での感想。
ネタバレありっす。


要するに親族殺人の話なのな。色々あるけど、「悪」の兄を、虐げられた妹が
殺された姉の敵討ちの意味も含めて、生命維持装置をはずすという消極的手段で
殺す、という事か。『海辺のカフカ』では、絶対悪の父を息子が退治するのだが、
悪であれば親族を殺してもよいのか、という問題が残る訳で。
その「悪」の所行は、兄の行為としては具体的には語られないけど、皮剥ぎの人
がシベリアで行った事が具体事例という訳か。だから癒しが必要な人は、金持ち
の中年女性であり。


しかし、この皮剥ぎ、かなり読んでてキツかった。結構残虐シーンとか読んでも、
普通よりは耐性のある方だと思ってたけど、あえて、生理的にキツめに描かれて
いるような。これなー、どこかで読んだことある。映画だったかもしんないし、
漫画だったかも。ああいう湾曲した手入れされた専用の道具で、生きたままの
人の皮を剥ぐ拷問て、どこで読んだんだっけ?ぐうー、思い出せん。
・・・ぐぐってみた。『紅いコーリャン』だったかも。そんな気がする。


んで、真っ暗な井戸の中に一人で入ってじっとする描写に、すげーリアリティが
あるので、村上氏は自分でやってみたに違いない。新宿で佇むのも、絶対やった
だろーな。案外、何日も座っていても、声をかけられたりすることはなさそうだ。
ある程度の年齢の男性で、身なりもそこそこにしっかりしてて、(スニーカーが
くたびれていて、少々穴が空いてても、大した問題ではない。村上氏的には大した
問題であるようなのだが。)変な波長を出していなければ、普通誰も声をかけない。
これが、ある波長を出すと、すぐに寄って来られるんだよな。関係ないけど。


笠原メイは、ユキのように狂言回しで、これって、もし村上氏に娘がいたらこんな
キャラはありえないだろーな。ダイナソーJrのジャケを想像。
ちょっと最後の章だけ読み直した。暴力のうずまくこの社会から隔絶されたカツラ
工場。これもまた幻想なのだろーけど。


この本を理解するって、結構時間がかかるだろうなあ。その意味では買って正解
かも。しかしやっぱり『カラマーゾフの兄弟』は必須なのであることよ。


はっ。マルタ&クレタってかのう姉妹だ。関係あるんすか??


あ、2巻の途中で、ついガマンできずに、本を読みながらゆで卵をゆでて食べた。
へへへ。これも自宅作業者ならではですな。ゆでたて固ゆで卵を、熱いのガマン
して殻をむいて、塩振ってぱくり、というのはマジうまい。