ついうっかり『1984年』読み終わる。

いやー、止まらないっす。
やる事はあるんだけど、返事待ちの間につい手に取ってしまったが最後
訳者あとがきまで一気読みだわい。


以下ネタバレで!
ウィキで、未来世紀ブラジルの仮題が「1984 1/2」だっただけ
あってバッドエンドは免れないけど、ピンチョンの解説で最後の項が救い
と分かり、うーん、深い。つか、解説読まないと「救い」ってわからない
っすよ。訳では「ニュースピーク」と通常英語の差が良くわかんないし。
女の登場や、いかにもな組織のミスリードは容易に看破できるけど、何も
信じられず、疑いながら読み続けるのはきっついのう。


読んでていろいろ愕然とする部分はあったけど、宝くじの描写、現在の
テレビCMでノー天気に繰り返し放映されてるヤツとか、うすら寒い印象。
あのCM作成料、放映料、宣伝料、全ての金の出所は言わずもがな、加えて
確実に当選者に約束された金が渡ってるか確かめる術はないのだ。


あと、『二重思考』。
これ、うっかりするとやってるよ。権力の前で。たとえば波風たてたくない
時に、意見を聞かれて、思っても無い無難な事言ったり。
日本的にはかなりこの要素は日常的だから、外国人に気味悪がられるんだろ
うけどな。これ、保身のためにクセになると気持ち悪い日常になる。
ドラえもんにおけるジャイアンスネ夫の関係だよな。
<追記>
いや、「ほんとはこうだけど、こう言っておこう」は、まだ二重思考とは
言えず、心の底からそう思うことだ。
そういう精神状態って、戦時下とか異常事態にならないと理解不能か。
人間魚雷とか、まじで発案・志願ていうレベル?
いや、この小説では、もっと日常的に4本が5本に見えるレベルか。
<追記おわり>


それにしても、未来世紀ブラジル同様、主人公の無防備な様子は気が滅入る
ぜよ。映画観た公開当時は、当然バッドエンドバージョンで、つかウィキを
読むまでハッピーエンドバージョンが作られたことは知らなかったが。
(しかしハッピーエンドで納得できるって逆に怖いんぢゃねーの?)
やっぱ、体制云々よりもチェックポイントは全体主義の監視社会なのかだな。


現状、結構怖いんでねーの?ネットって閲覧ページのソートとかできちゃう
し、新聞取ってないやつ、NHK払ってないやつ、選挙に行ってるやつ、全部
チェックしよーと思えばチェックできるしな。
あっさり民主党政権交代したけど、どこに落とし穴があるかわかったもん
ぢゃねえ。
ぽにょの海が勝訴とか、つぼや印鑑のカルトが摘発とか、じわじわ自民党
変わってますよ的なニュースは見るんだけどなー。


あ。そーいえば、『1Q84』の予習で読んだんぢゃん。すっかり忘れてた。